制圧攻撃機(ブルドッグ)出撃す

ノベルズ版 1990年10月25日初版発行「N−336」
文庫版   1996年1月30日初版発行「NPN480」

「ブルドッグ」シリーズの記念すべき第一弾です。後に飛行空母と戦ったり、UFO−未来人−と出会ったり、不老不死の世界を見つけたりなんてこの巻では想像も出来ません。(笑)ストーリーは本来の任務である麻薬組織との戦い(今回は麻薬組織からの人質奪回)です。ブルドッグだけでなく、陸自レインジャー隊員によるフリークライミングも魅力です。
しかし何といっても目を引きつけてしまうのは小石英司曹長ではないでしょうか。ちょうど「異常犯罪捜査官」も発売された頃で、大石先生に何かあったんだと思います。(まあ、今はもうご結婚されている事だし)でも小石曹長は自分の職務には厳格で誰よりも「ブルドッグ」を愛していた人間です。合掌。
余談ですが「ブルドッグ」シリーズ以前からAC−130スペクターは好きな機体でした。この機体を知ったのは昔やっていたアニメ「蒼き流星SPTレイズナー」で出てきたのを観たのが最初です。(この時スペクターはすぐやられてしまうけどね・・・)ところでカーゴ付近に105ミリ榴弾砲があるガンシップの機体に装甲車は積めるのでしょうか。この前小牧でC−130の中に入ってみてふと思いました。

大使を救出せよ 制圧攻撃機(ブルドッグ)出撃す2

ノベルズ版 1991年10月15日初版発行「N−367」
文庫版   1997年1月20日初版発行「NPN−547」
(文庫版は「大使奪還作戦」に改題)

反政府ゲリラに捕まった日本大使と大手商社社長を救出するため、台風吹きすさぶフィリピンで活動する話です。捕まった大手商社社長とは「ブルドッグ」副操縦士、歩己麗子の父親です。また前回戦死した小石曹長に変わり、飛鳥機長と昔関わりのある野際准尉が機付き長として着任します。この機付き長も戦死してしまいますが。日本人って第三世界、この場合はフィリピンの人々の日々の生活の上に立って生活しているわけなんですね。商社が無秩序な開発をして現地の人の生活を振り回す。一般の人もゲリラもイリガン将軍もそしてステラも・・・、結局みんな日本人に振りまわされた人たちです。日本人全員が「紺碧の艦隊」のような登場人物なら、状況は変わるのだけれどね。(紺碧は理想論としては好きなのだが、理想と現実は違うのよね)
ちなみにこの巻に出てくる「ディフェンダー」ヘリは実際には自衛隊では装備していません。よく似たOH−6なら保有していますが。

 

飛行空母(アナハイム)を墜とせ 制圧攻撃機(ブルドッグ)出撃す3

ノベルズ版 1993年11月30日初版発行「N−453」
文庫版   1997年6月20日初版発行「NPN−571」

「ブルドッグ」シリーズが‘92年は出なかったので打ち切りになったのかと思っていたら、出てくれました。しかも、怪物をつれて!飛行空母「アナハイム」総トン数4万5千トンの超巨大機です。(これくらいだと船だとしても大きい)この「アナハイム」を日本嫌いのハッカーが日本へ墜とすためメインコンピュータを乗っ取ります。本来、自衛以外の対空ミッションには不向きな「ブルドッグ」で「アナハイム」をどう料理するのかと思っていたら、かえって戦闘機よりも向いていたようです。。この巻で初代「ブルドッグ」は引退します。

 

黄金郷(レイン・フォレスト)を制圧せよ 制圧攻撃機(ブルドッグ)出撃す4

ノベルズ版 1995年9月5日初版発行「N−528」

この作品は多くのファンを驚かせたのではないでしょうか。(私も驚いた一人)まさか大石作品に「タイムマシーン」が出てくるとは思いませんでした。タイムトラベルに関して「因果律」が出てきますが、私は歴史に干渉したらそこでもう一つの歴史(平行世界だったっけ?)が発生するという説を支持しています。話としては「因果律」でないと面白くないですがね。
それとあまり説明無しで「コンバット・エクスプローラ」攻撃ヘリが出てきますが、陸自はまだこのヘリは装備していません。米軍もまだだったはずだと思います。でも大石先生はこのヘリが好きみたいで、とあるゲーム雑誌での大戦略のリプレイ記事で「わしの好きな<コンバット・エクスプローラ>が無いではないか」と、作中のキャラの口を借りて言ってました。

 

電子(サイバー)要塞を殲滅せよ 制圧攻撃機(ブルドッグ)出撃す5

ノベルズ版 1996年9月5日初版発行「N−568」

ネットワークを使い日米の政治・経済を麻痺させるテロリストと「ブルドッグ」チームとの戦いを書いた作品です。でも「ブルドッグ」である必然性はないような気が・・・。須米等木二曹がいなければ勝てなかった訳だし、依然として飛鳥機長はダブルクリックが出来ないわけだし(笑)この巻では「ブルドッグ」チームは脇役ですね。飛鳥機長が話の核心で「ブルドッグ」を降りなかったぐらいですから。
冒頭に出てくる主婦のパソコンのスペック(CPU−486SX、HDD−170メガ、メモリ−8メガ)は私では耐えられないですね。ちなみに私の環境は、CPU−MMX166、HDD−4.3ギガ、メモリ−32メガです。
それと裏表紙のあらすじ内にある陸自制圧攻撃機<ブルドッグ>は空自制圧攻撃機の間違いです。大した事じゃないけど。

 

極北に大隕石を追え 制圧攻撃機(ブルドッグ)出撃す6

ノベルズ版 1997年6月10日初版発行「N−594」

どんな怪我、病気でも治癒される不老不死の世界「タルバ・ゾーン」を巡って日米ロが争う話です。「黄金郷(レインフォレスト)を制圧せよ」とともにSF色の強い作品ですが、私はこちらの方が好きです。「黄金郷・・・」は最後に超常現象を起こした張本人が現われて種明かしをするので何だか白ける部分がありますが、「極北に・・・」は仮説ながらも我々人間が超常現象を解き明かしているので物語として楽しめます。とにかくお勧めの一作です。

冥氷(めいひょう)海域 オホーツク「動く要塞」を追え

ノベルズ版 1998年5月10日初版発行「N−621」

NON NOVELでは、初めて「ブルドッグシリーズ」を離れて発表された作品です。最近の大石作品の傾向である「バイオテクノロジー」と「超常現象」(<正確な表現ではないが)がテーマになっています。
北海道へ向かう氷山内に謎の対空ユニットと原発が存在したため、米海軍は氷山にSEAL部隊を派遣するも謎の生物に襲われ全滅してしまう。そして謎の生物は北米にも存在していた・・・。氷山を阻止し、謎の生物の正体は明かせるのか。
「ブルドッグ」から離れて書いたとありますが、敢えて「ブルドッグ」から離れる必要はなかった気はします。「サイレント・コア」がこれらの敵と戦うのには違和感がありますが、「ブルドッグ」なら前例がありますから。直接戦う「敵」が「極北に・・・」に出てきた「タルバ・ゾーン」の怪物に似ているので差別化を図る意味合いがあったのでしょうか? いずれも精鋭部隊をものともせずに壊滅させてしまう怪物ですから。
この巻は日本近海が舞台なので、自衛隊が当然出てきます。しかし今回はあまりめざましい活躍はしません。日本人の主人公達も他の作品の主人公と比べるとかなり扱いは地味です。真壁玲奈と牧原建との関係も「気はあるのかな」って云う程度です。続編を匂わせているのでしょうか?
その代わりに北米の怪物と戦うベトナム帰還兵は積極的に描写されています。こちらは裏表紙のあらすじには出てきませんが、彼らの方が主人公だといっても間違いないでしょう。

ゼウス(ZEUS)人類最悪の敵

ノベルズ版 2000年2月20日初版発行「N−682」

北海道で妊娠した女性の胎内から未知の生物が出現し、やがて強暴な性質と脅威的な増殖力で人類に襲い掛かってきた。ゼウスと名付けられたその生物は、北海道のみならず全世界で発生し住民すら巻き込み惨劇が繰り広げられた。この未知の生物の正体は?人類は生き残る事が出来るのか?
NON NOVELSで発表されている「未知の超生物」シリーズ(?)の最新作です。シリーズとは言っても、それぞれに時系列など関連性はありませんが…。表紙や予告のあらすじから、ホラーものと思っていましたが、どちらかというと「平成ガメラ」的な要素が強い気がします。ゼウスがギャオスのように群れをなして人々を襲いますし、怪獣(?)の対処にあたる政府も現実に即しつつ超常現象を処理して行きます。
また主人公が中学生というのも目新しい点でしょう。カバーの<著者略歴>にある“青春小説の要素”は従来の現場の人間か指揮者が主人公が多かった大石作品に新風を取り入れたといって良いでしょう。
正直待った甲斐がありました(^_^)/