アキレス浮上せず

ノベルズ版 1995年2月25日初版発行「N75−1」

この作品は未来予測の海洋テクノサスペンスと銘打ってありますが、僕は海洋冒険小説と呼びたいです。系統としては「シーナイトを救出せよ」に近いでしょう。だいたい沈没船に眠る莫大な財宝を巡ってのやり取りなんて胸踊るストーリーじゃないですか。ちなみに「山下財宝」を積んでいたとされている旧日本海軍の軽巡洋艦「石狩」は実在しません。しかしありそうな艦名なので、よくこの手の作品に登場します。(「北海の堕天使」吉岡平著 ソノラマ文庫刊とか)ラスト近くに出てくる怪物は人類の手の届いていない深海ならもしかして存在するのではと考えてしまいます。
ところで作者略歴の欄の「賞罰無し」何か気になります。今まで作者略歴にそんな事書いてあるのを観たこと無いですから。(笑)

 

救難飛行隊

ノベルズ版 1995年11月25日初版発行「N75−2」

どちらかと言えば地味な部類に属する救難飛行隊ですが、当然戦闘部隊だけが自衛隊ではなく、戦闘部隊と何ら変わり無いプロフェッショナルな隊員の姿を書いています。そう云えばこの新潟の部隊を大石先生が取材した時の模様が以前、防衛庁の広報誌「セキュタリアン」に載っていました。
ストーリーは、この頃オウムの事件の直後だったのでカルト宗教がらみとなっていて時代を感じさせます。でも教祖はオレンジ共済とか、KKCの主催者のようです。
この作品の一番の苦労人は台風で足止めをくらい暴風雨の中、府中から新幹線・レンタカー・バイク・自転車を駆使してボロボロになって新潟までやってきた榊原秀雄三佐でしょう。しかしかわいそうに巻頭の登場人物リストから漏れています。

 

緋色の狐 SOS!朝鮮半島へ出撃せよ

ノベルズ版 1997年1月25日初版発行「N75−3」

救難飛行隊シリーズの第二弾です。大石作品としては初めて北朝鮮が当事者として出てきます。アメリカ、北朝鮮の思惑の間を擦り抜け、救難飛行隊は活躍します。もしこのように救難飛行隊とは云え、自衛隊が北朝鮮に進入したら大問題でしょうね。大問題に為りかねないと云ったら、他の大石作品での自衛隊の行動もそうですが。でも北朝鮮内に不時着した仲間を救うため、命を懸け救出に向かうさまはプロの誇り以上のものを感じさせます。