幻冬舎編

首都壊滅作戦

ノベルズ版 1998年2月16日初版発行

大石作品久々のシリーズを離れた作品です。バイオハザードがテーマで「ナイトメア」以上の手強いウイルスを人類は相手にします。「ナイトメア」の場合、舞台の大半はアメリカか、サハリンで、日本のバイオハザード対策についてはあまり触れていませんでした。しかし今回は全編日本国内が舞台となっており、日本での場合の対策が述べられています。もっとも、大石作品の登場人物は皆行動に無駄が無いので、実際に自衛隊・警察・厚生省などの各行政が寄り集まった場合、本当にこのように動けるかどうかは少々疑問に思いますが・・・。それにしても化防小隊はサリン事件・ガメラ2以来、脚光を浴びている部署ですね。それまでは「BC兵器」を扱う危険な個所と捉えられていて、同じ自衛隊内でもあまり良く思われていなかったそうです。実際は「BC兵器」に対処する部隊であって、「BC兵器」を運用する部隊ではないんですけれどね。
また最近の大石作品の傾向である「オーパーツ」が出てきます。ネアンデルタール人から進化したと思われる身長3mの巨人の化石です。巨人伝説や巨人の化石などは、「ムー」みたいな雑誌でも読んだ事があるので、真偽はともかく存在するという噂は昔からあるようです。今回もこの現在の科学では常識外の巨人の化石を可能な限りの仮説で説明し、読んでいて説得力のある存在にしています。ここのくだりは読んでいてわくわくします。
最後に表紙に関して、本編の比率から云うと大した活躍をしていない陸自の偵察ヘリOH−1がでんと構えています。バックの都庁と遺伝子構造はともかく、何か大石作品は自衛隊だけだと云っているようで感心しません。表紙なのだからもう少し考えてほしかったと思います。