新世紀日米大戦(1〜10)

1.笑顔のファシズム

ノベルズ版 1997年9月25日初版発行「34−28」

約20年後の世界を舞台とした新シリーズです。大石作品でロボットが出てくるなんて(しかも実用的なものが)驚きました。「鈴木太郎」三曹は挿し絵で見てサイボーグかアンドロイドかどちらなんだろうってまず思いました。(まず先に挿し絵を見てしまった)なかなかナイスな奴です。また土門や司馬も主要人物として出ています。
世界観はガタガタになった日本なのに、ありがちな無法地帯とかバイオレンス的な世界になっておらず、元気の無い力の抜けた日本になっています。現実の日本の行政改革もなんだか骨抜きになりそうな気配なので、こうは成って欲しくはないものです。小説ではまだ中国東北部(いわゆる満州)という逃げ道があるけど、実際このようにうまく行くとは思えないから。

2.黄色い資本主義

ノベルズ版 1997年11月10日初版発行「34−29」

シベリアを巡るロシアとの対立が本格的なものとなってきます。アメリカはまだ義勇軍を出す程度のものですが、アジアとの対立は深まっていきます。
対立は国家レベルだけにはとどまりません。何でも卒無く完璧に物事をこなすロボット兵士「鈴木太郎」三曹と、たたき上げで登りつめて来た空挺のベテラン隊員との確執です。ロボットに好意的な登場人物は「ナース君」に助けてもらっている朝倉伸吾や病院関係者、そして土門郁恵一佐ぐらいなものです。ロボットと人間の確執はSFのテーマのひとつですが、これを今後の展開でどう扱うのか楽しみなところです。また、あの元サイレントコアの音無隊長も出てきて相変わらずの活躍を見せます。でももうすこし後の巻に出ても良かったのではとも思いますが。ただ「鈴木太郎」君の感情の芽生え(?)の原因に一役買っているのは間違いないようです。
それとこの巻のラスト近くで、「新世紀日米大戦」とその前の作品のつながりが???となります。土門の片足は偽足なのに、ロンが音無隊長のもとにいます。土門が片足を失ったとき(
アジア覇権戦争5“覇権の果てに”)には、同時にロンは戦死したはずなのに。いいキャラなので使いたい気持ちは分かりますが…。

3.真珠湾の亡霊

ノベルズ版 1998年1月25日初版発行「34−30」

3巻は前巻より数ヶ月の時が経過しています。アメリカが遂に切り札である「金本位制」を導入して債務不履行を宣言し、日本からの借金をチャラにします。さらには1ドルが400円台にまでになり日本は窮地に立たされてしまいます。その割には高価であると思われるロボット兵士の量産型がぞくぞく戦場に投入されています。また2巻の最後で進水をしたヘリ空母「ほうしょう」は同型艦が数隻もう実戦配備されており、純国産戦闘機「震電」もヘリ空母の艦載機として配備されています。
ロボット兵士は陸自の「鈴木太郎」二曹(昇進!)だけでなく、その量産型の「足軽4号」、空自のパイロットロボット「疾風」、イギリスの「センチュリオン」シリーズ等が出てきます。海自も具体的な名前や機種は出てきませんが、ロボット兵士を導入しています。特筆すべきはイギリスの「センチュリオン2」は(多分)ダイナマイトボディーの女性型ロボットだという事です。視覚的に敵を幻惑し、そして人間以上の戦闘能力と防御力を誇ります。まさに女性版ターミネーター。しかし生身のターミネーター(笑)に倒されてしまいますが。それと音無隊長と鈴木太郎君との確執はいとも簡単に解決しています。でもこの二人(?)の会話は妙な味があります。なんだかんだ言ってお互いを認めているのでしょうか?
そしてこの巻のラストに日本は遂にある事をやってしまいます。まだ読んでいない人のために書きません。(でもタイトルを見るとすぐ分かる事ですが)日本とアメリカは全面戦争に突入するのでしょうか?

4.トラ トラ トラ

ノベルズ版 1998年3月25日初版発行「34−31」

3巻よりそのまま引続きで、真珠湾攻撃が書かれています。他の作家と違いタイトルの「トラ トラ トラ」にマークを付けていないところに真珠湾攻撃の描写が主要テーマではないと暗に物語っているかのようです。日本海上・航空自衛隊はアメリカ太平洋艦隊の航空戦力を半減させるため、空母が2隻(太平洋艦隊の空母の半数)集まる12月7日を選び、攻撃しました。しかし肝心の空母は存在せず、第1目標は達成できずに第二次真珠湾攻撃を終了します。この巻では真珠湾攻撃自体よりもその後の行動に物語の重点が置かれています。真珠湾に空母が居ない事に陰謀を感じ取る米大統領、日本主力艦隊を無事に帰還させるため、囮となる湖醍鎮(こだいまもる!!)艦長率いるステルス艦「ゆきかぜ」、日本機動艦隊を追撃する任務を帯びながらも艦長が真珠湾で娘を失なったことでマトモな指揮を執る事が出来ない米ステルス駆逐艦「ルー・ゲーリック」、そして米哨戒機の執拗な追撃を受ける海自潜水艦。海自潜水艦を追いつめる米P−3C哨戒機等、様々な人間が虚々実々の駆け引きを行ないます。また陰謀も錯綜しており、果たしてこの日米戦争が短期で終わるのか長期化するのかこの巻ではまだわかりません。
しかし、裏表紙のあらすじ内にある「人型汎用決戦兵器」って、GI・ジョーや足軽シリーズとかの事でしょうか?ちょっと「おいおい・・・」云いたくなるような表現ですね。普通あらすじを作家は書かないから、編集の方でしょうか?こうも露骨だと、誤解されやすい表現なのでちょっと変更してもらいたいですね。

5.ミッドウェーの警鐘

ノベルズ版 1998年9月25日初版発行「34−32」

日本機動艦隊による真珠湾攻撃から間を置かず、この戦争の戦略的優位を確保すべく日本は機動艦隊と空挺師団を投入し、ミッドウェー環礁の攻略を開始します。対するアメリカも武力報復を決定し、B2戦略爆撃機・空母・空挺部隊と急展開が出来る部隊を総動員してこれに当たります。しかし、第二次大戦の頃と違い、お互いに手持ちのコマに限りがあるため、ややアメリカ側の分が悪いものの、双方とも決定的な勝利をモノにする事が出来ず、じわじわと損害だけを拡大していきます。
そんな戦場の中での人の交流、特に男と女がこの巻では描かれています。恋人・上官と部下・人間とロボット・そして精神は人間のジェネシスプロジェクトのケイコとチャーリー・・・。戦争という極限状態で彼らは葛藤しながら、自分に与えられた任務を果たしていきます。しかしミッドウェーの戦いはまだ始まったばかりです。

ちょっと気になったのは米陸軍のマリコ・S・ジョーダン大尉が第二次太平洋戦争のレイコ・キリスミ中尉に似ているなと感じた事ですね。些末な問題ですが。

6.祖国ふたたび

ノベルズ版 1998年12月20日初版発行「34−33」

ミッドウェーの攻防は一旦休戦となるものの、この戦いをスクープしたメディアのスパイ衛星の報道により世論が過熱して再び戦闘が始まります。しかしアメリカ側の世論の高まりは確認できますが、日本はと云うとほとんど一般の国民の描写はありません。やはり遠く離れた何の利害の無い島での出来事だからでしょうか?政府や自衛隊の動きは見えますが、その他の日本人といえば(こと6巻に関する限り)せいぜいマスコミと荒仕事専門の航空会社ぐらいです。そのマスコミもお互いの縄張り争いに熱心で、本当の意味での報道には程遠い状態です。でも未来もこんな状態なんでしょう(泣)
日米間の戦争は佳境に入り、陸も海も転機を迎えます。陸はミッドウェーの空挺同士の戦い、海は「ゆきかぜ」と「ルー・ゲーリック」との戦いや、米空母部隊と海自潜水艦の戦い。これらの戦いはそれぞれ決着がつきますが、まだ戦争は終わらないようです。(もしこの巻でシリーズが完結していたら、酷い消化不良の作品になりますから…)

巻頭カラーの「ゆきかぜ」図解はなかなか良い味を出しています。

7.甦る星条旗

ノベルズ版 1999年3月25日初版発行「34−34」

日米戦争勃発から2週間、ミッドウェー周辺の戦いは終結して日本側は本国防衛体制を整えますが、アメリカはその大きな軍事力を生かして日本への反撃体制を整えます。戦況は泥沼になる様相を見せて、短期決戦で終わらせる事に失敗した前大戦の二の舞を日米は演じようとしています。
アメリカは戦争に無関心な日本人に戦争の恐怖を思い出させ、有利な立場で戦争を終結させるべく、あえて住宅密集地にある入間・横田両基地などを攻撃目標にします。そして基地を守る防空システム、アイアンシールド砲やレーザーを無力化する工作員としてマリコ・S・ジョーダンが登場します。音無隊長や土門が防空システムの守備に当たりますが、日本側が優位に立って状況が展開するものの、最終的な部分で翻弄されてしまいます。まだまだ空挺とマリコとの戦いは終わりません。
そして硫黄島でも日米両国が威信(のみ)を掛けた戦いが始まろうとしています。戦争はまだ生贄を欲しているようです。

8.眼下の危機

ノベルズ版 1999年6月25日初版発行「34−35」

前巻ラストに引き続き、硫黄島に上陸した米海兵隊と自衛隊守備隊の攻防が描かれています。防御側で有利な立場に立つものの、兵力の絶対数が少ない日本と、10倍近い兵力差と持ちながら、アイアン・シールド砲や「ゆきかぜ」などハイテク兵器群に出血を強いられるアメリカが一進一退を繰り返します。しかも硫黄島には戦略的価値は無く、前大戦と同様の光景を再現する事によりアメリカの軍事的勝利をアピールすると言う政治的思惑が、この戦闘を発生させました。
ハイテク兵器に守られているとは云え、田舎部隊とか素人集団と酷評された陸自硫黄島守備隊は百戦錬磨の米軍を相手に善戦します。狼に統率された羊は、羊に統率された狼に勝ると言う諺をそのまま表しているかのようです。

9.地を這う者達

ノベルズ版 1999年11月25日初版発行「34−36」

硫黄島では、司馬光陸将率いる空挺部隊がようやく到着し、米軍の更なる攻撃を防いでいます。陸自の普通科部隊も多くの犠牲者を出しつつも自信をつけ、空挺に劣らない精強部隊に成長しています。
また本土ではマリコ・ジョーダン少佐がテロを繰り返して後方霍乱を行い、また日本が戦争終結の切り札として使用を目論む量子コンピュータの無力化を実行しようとします。

しかしジョーダン少佐とヒトミ・キクマ少尉のギャップは7巻以上ですね。テロの実行という点ではヒトミ少尉はまったく役に立っていません。ジョーダン少佐の暴走のリミッターと云う役割を果たしていなくも無いですが、横浜での行動時にはそれすらも果たされていません。量子コンピュータの攻防時になにか本領を発揮するような気はしますが…。
それと量子コンピュータの生みの親、赤城博士…ですか。瑠津子(るつこ)と云うのは少し語呂が悪い感じがします。

そしてもう一つ、テロにより橋脚が爆破されるリニア新幹線ですが、実はあれは横浜を経由せず、中央自動車道に並行して八王子、山梨経由で名古屋に向かい、大阪を結びます。ですのでアレは八王子(確かここら辺りに駅が出来る筈)と思ったほうが良いかも…。

10.愚行の葬列

ノベルズ版 1999年3月25日初版発行「34−37」

日本政府は世界ではじめて実用化にこぎつけた量子コンピュータを切り札に戦争終結(の主導権)を目指しますが、ジョーダン少佐とキクマ少尉の日系人コマンドにより占拠され、無効化されてしまいます。また米軍はゴーストライダーズとマッハ5を誇るF27ダークホースを繰り出し決戦に挑みます。硫黄島も硫黄島守備隊・空挺部隊と海兵隊・SEAL、『ゆきかぜ』・『伊一〇一』と『シカゴ』の一進一退の攻防に、終止符が打たれます。ストーリーのラストはともかく世界観のラストは後味の悪い事この上ないです。

大石先生が新世紀構想前より考えていたと言うラスト、ネタバレは避けますが素敵な終わり方だと思います。

深海の悪魔

上巻

ノベルズ版 2000年8月25日初版発行「34−38」

深海調査船“しんかい6500”が発見した時速80ノットの物体。未知の生物のそれは中国海軍の潜水艦や水上艦艇、民間船舶まで襲い始めた。また小笠原諸島父島では未知の生物の死体群が打ち揚げられ、その腐乱ガスが多くの人命を奪う事となった。しかし、これらの出来事はまだ始まりに過ぎなかった…。

C★NOVELSでは久々の新シリーズ(?)であり、ZEUSの路線でもある未確認生物パニック物ですが、最近UMAは「バイオの産物」という路線が多く、少々食傷気味になりました。しかし、この生物はバイオテクノロジーの産物で無いようなので、「アキレス浮上せず」の路線も近いものとなるではないでしょうか?また“ZEUS”では上下巻を無理矢理1冊(ページ数から言うと1.5冊?)に収めたという経緯があるので、上下巻である「深海の悪魔」は謎の生物の発生の経緯にも深く語られる事を期待したいです。

下巻

ノベルズ版 2000年9月25日初版発行「34−39」

スピードフッシュと名付けられた未確認生物は徐々に北上を始め、阻止しようとする海自や海保の艦船を次々沈めて東京に向かっていた。東京ではパニックが起き暴動が多発、自衛隊による治安出動が発令された。スピードフッシュの研究により、ある対策が提示されるが…。

下巻ではスピードフィッシュによりパニックになる首都圏が描かれています。サイレント・コアもスピードフッシュ対策というよりも治安維持に重点が置かれています。この作品大石先生以外の、例えば編集部の意向で無理にサイレント・コアシリーズに編入されたような気がするのは私だけでしょうか?治安維持のシーンはともかく、スピードフッシュと戦うシーンでは土門のやる気のなさが伺えます。また最近の出来事を上手く作品に反映させるのは上手く、首相が倒れて代理が職務を遂行する場面もありますが、他の大石作品と同様に現実よりもスムースにと云うかまともに指揮権が以上されています。
ラストは完全に平和が取り戻されたという物ではなく、最悪よりはましという少々後味の悪いものになっています。作品中で日本人を襲った惨劇としては最悪の物といえるでしょう。恐らく土門や司馬達も…、体の中に爆弾を抱えているのでしょうね…。

石油争覇(オイル・ストーム)(1〜5)

1.南海のテロリスト

ノベルズ版 2001年1月25日初版発行「34−40」

 民族主義の台頭によって独立機運が高まるグアム。不穏な空気を察知してサイレント・コアが派遣されたものの、不確定情報の中で満足な装備も支援も得られずに日系ホテル乗っ取りに遭遇する。最悪の状況下で邦人救出は可能なのか?

 悪条件の中、サイレント・コアの面々が創痍工夫(?)をして元特殊部隊からなるテロリストと渡り合います。まだ序章と云ったところで大きな進展はありません。しかし土門はどうしてこうも不器用なのでしょうか?司馬さんのように器用にOFFや休暇の時間を有効に使えないとは…。またもう1つのテーマとして親子のあり方にも触れています。似たような境遇の中を、一人は明るく器用に生き、一人は少年院の入退院を繰り返し、一人は子を育て必死に生きようとします。子育てと最近の少年犯罪の影響を反映しています。

 ネット上で表紙公開時に話題となったP3C改も序盤から登場します。砲身のような物が見えたのでガンシップではと云う意見がありましたが、まさにそうでした。P3Cがベースなのは100機体制が冷戦崩壊で削減となり、余剰となった機体の有効活用が理由のようです。試作機ゆえ1機のみのようですが、冒頭の韓国漁船への砲撃は以後の伏線なのでしょうか、しかし唐突過ぎた気がします。

2.驟雨の奪還作戦

ノベルズ版 2001年4月6日初版発行「34−41」

 情報漏れから田口、司馬のみでテロリストが占拠したホテルで行動せざるおえなくなったサイレント・コア。司馬と田口による反撃によりホテル内のテロリストを排除したものの、テツと和泉母子ががテロリストの人質に取られてしまう。日米の外交に翻弄され、果たして人質を救出する事はできるのか?

 なんとか反撃に転じてSOFとしての真価を発揮するサイレントコア。アクションシーンがこれでもかと続きます。“リザード”田口は持ち前の射撃センスで、“ビーナスリーダー”司馬は戦闘マシーンと化してテロリストを排除します。また秘密兵器のAP−3Cは燃料不足に悩まされながらも、各部隊の支援を受けてサイレントコアを支援します。またP−3Cの空中給油機バージョンも登場して、バリエーションが展開されています。次巻には電子妨害機としてのEP−3Cが出るのでしょうか?(今話題のEP−3Cは電波傍受が主目的)
 巻末付近には海自の特殊部隊が登場しますが、この部隊が公表されたのは2巻が発売の1週間ほど前です。海自特殊部隊公表後に刊行する為に、2巻発売が遅れたのですかね(笑)

 3.誤解の海峡

ノベルズ版 2001年7月25日初版発行「34−42」

 漁業権を巡って日韓が対立する対馬海峡に不審船が出現。漁船や海保の巡視船に銃撃を加えた後、沈没した。グアムから消えた火器の行方に警戒感を募らせていた日中韓各国に緊張感が走るなか、不審船に続いて、東京では潜伏していた北の工作員が母国への帰還の任を果たすために無差別テロを敢行した。後手に廻る日本。首都圏は地獄と化した。

 大石作品としては、初めて北朝鮮が本格的に登場します。「緋色の狐」もあるけどこれは国家間の対立までには至っていない)工作員が決死の覚悟で任務を果たそうという理由が某DVD‐BOXを首領様の手元に送り届けるためというのが、ありえそうで怖いです(笑)もしかすると、DVD‐BOXに偽装した“何か”なのかもしれませんが。
 サイレントコアは後半少し活躍するだけですが、田口を始めとする隊員達の動きに重点が置かれています。また音無隊長は退職後の趣味として盆栽に挑戦しているようですが、新世紀にそれらしき記述(?)が無い事からやめてしまったのかもしれません(笑)また二足歩行ロボットに関する話も出てくる事から、P3と足軽の間に位置する物が出てくるかもしれません。

 4.鴨緑江を越えて

ノベルズ版 2001年10月25日初版発行「34−43」

 横浜を地獄に変えた北朝鮮工作員が、確保した日本製無線機と移民者を利用して中国・北朝鮮国境で武装蜂起し、平壌へと進撃を開始した。北朝鮮の崩壊を望まないものの朝鮮戦争勃発を恐れる韓国は日本に事態の収拾させる事を画策する。北朝鮮に投入される「サイレント・コア」「シー・スペクタ−」しかし裏には大国の思惑が交錯していた。

 北朝鮮に舞台を移して北朝鮮反体制派の武装蜂起が話の中心になります。最新の通信機器を使い、民衆を味方につけて正規軍を押して行きます。北朝鮮崩壊によって引き起こされるであろう経済危機を避ける為、そして全面戦争を防ぐ為にAWACSや『シー・スペクタ−』による援護のもと『サイレント・コア』を紛争地域に投入します。海軍陸戦隊が登場していないのは、(物語としての)最後の切り札としてとっているのでしょうか?(笑)

5.明日昇る朝陽

ノベルズ版 2002年1月25日初版発行「34−44」

 北朝鮮蜂起軍との同調を余儀なくされた陸自特殊部隊「サイレント・コア」しかし反乱計画は国境線と平壌において齟齬をきたしており、圧倒的な兵力と火力で平壌への進軍を阻止されてしまう。一方日本ではオイルショックと朝鮮動乱を終結させるプロジェクトが進行していた。

 「海軍陸戦隊(JAMSSS)」が再び登場します。が「サイレント・コア」の支援がメインであまり活躍はしません。想定外の事態に隊長が『うっそー!』と声を出すようでは更なる練度向上が実用かもしれません(苦笑)“JAMSSS”シリーズを展開させて実戦を積んでもらいたいですね。ネタ的には“サイレント・コア”と完全に被りますが…。

“サイレント・コア”も協力したとはいえ戦術的には貢献できても戦略的には寄与できず、蜂起軍の損害を押さえる役割を果たすにとどまります。でも久々に戦場に降り立ってアーウェンをぶっ放す音無隊長が見れたので良しとしましょう。

 今回の戦闘で成長した田口君、“サイレント・コア”内で新たな吉村・土門的地位を確立する事が出来るでしょうか?。ただ階級がまだ2士と云うのがネックですが。